公式サイトリニューアルのお知らせ
いつも本ブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
このたび、公式サイトをリニューアルするとともに、会の名称も新しくなりました。
旧名称:「若い読者のための短編小説読書会」
新名称:「若い読者のための本とマンガの会(わかどく会)」
より幅広い作品や読書の楽しみ方に触れられるよう、会の対象を拡げたかたちです。
また、5月より新たに「マンガの読書会」もスタートしました!
気軽に作品を紹介し合い、語り合える時間を通じて、読書の世界がさらに広がるような場を目指しています。
リニューアル後のサイトは、スマートフォンやタブレットでも見やすく、情報が探しやすいデザインに刷新しております。今後も読書会の開催情報やおすすめ作品の紹介など、充実した内容をお届けしてまいります。
今後も、読書会の最新情報やおすすめの作品紹介、参加者の声など、さまざまなコンテンツをお届けしてまいります。
それぞれのリンクは以下の通りになります。
◆若い読者のための本とマンガの会(わかどく会)
◆📚若い読者のための短編小説読書会
◆私の推しマンガ交換読書会
これからも「わかどく会」をどうぞよろしくお願いいたします。
【報告】第36回 短編小説読書会(アイザック・アシモフ『我思う、ゆえに…』)
2025年4月17日(木)第36回目の短編小説読書会を行いました。
今回のテーマはアイザック・アシモフ『我思う、ゆえに…』でした。参加者は6名。うち初参加は4名というフレッシュな顔ぶれでした。
今作の選定理由
以前読書会に来てくださった方から紹介があり、3月にアシモフの作品を取り上げました。実は最初に取り上げようと思っていたのが今作『我思う、ゆえに…』だったのですが、ちょっと難しいかなと思ってしまって見送ってしまいました。それで先月は『うそつき』を取り上げたわけですが、参加者からも好評で「他の作品も読んでみたい」というリクエストを受け、今月取り上げることになりました。
※3月の読書会の様子はこちらをご覧ください
物語のあらすじ
舞台は太陽エネルギーを地球に供給するために作られたステーション。今やロボットが人間の労働にとって代わるようになり、各ステーションに必要な人間は2人の管理員のみとなっていた。パウエルとドノヴァンが宇宙の中継ステーションで組み立てたロボット「キューティ」は、地球人が自分を作ったという事実をどうしても信じようとしない。それどころか、キューティーは自分を作ったのはこのステーションの中心にあるエネルギー転換器だと豪語する。エネルギー転換器を「主」と呼ぶキューティーは、管理員の2人を任務から追い出し、地球にエネルギーを供給し続けるのだった。
初読の感想
今作もかなり好評でした。個人的には難しい作品かなと思っていましたが、意外にもそんなことはなかったようで、お気に入りと言ってくださった方も多かったようです。『我思う、ゆえに…』という哲学的なタイトルも、考察し甲斐があります。
ちなみに現代は"Reason"すなわち「理性」なのですが、文脈からデカルトの言葉をタイトルにしているようですね。
考察:アシモフの三原則 今回の場合
アシモフには有名な「ロボット工学三原則」というものがあります。
- 第一条
- ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- 第二条
- ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
- 第三条
- ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
簡単にまとめると「安全・便利・長持ち」と家電製品にも適用できるのですが、のちのSF作品に影響を与えているらしく、とても有名な原則となっています。この原則を転用した作品も非常に多くあります。
アシモフの短編集はこの三原則を絶妙に生かした作品になっています。前回の『うそつき』では、各個人には三原則が適用されていたものの、同時には成立しないというところが面白かったわけですが、今回は「主」を信じてしまうバグが発生したロボットが誕生したというところに面白さ(滑稽さ)があるわけです。
ロボットは明らかに人間の手によって作られました。それは疑いようのない事実、のはずなのです。しかしロボット・キューティはこの揺るがしようのない事実が信じられないというのです。
人間は栄養補給が必要ですし、睡眠が必要です。これはロボットからしたら明らかに非合理的な活動をする生き物です。ロボットが人間の知能を遥かに超えてしまった今、自分より下等な生き物である人間が自分を作ったとは到底信じられない、これがロボットの主張です。まあ、わからなくはないですね。
ですから、ロボットからしたら、自分を作り上げたのは、もっと有能で完全な存在でなければならない、と考えるのは自然な流れでしょう。そこで、このステーションの存在意義であるエネルギー転換器が自分を作り、そのために活動しているのだと盲信してしまうのです(そのエネルギー転換器も人間が人間のために作り出した道具に過ぎないのですが)。
こ
ロボットの狂いっぷりが面白く笑える作品になっています。と同時に、人間を超える知能であるロボットがいずれ人間を支配するようになる未来もうっすらと見えますね。生成AIが普及し始めた今だからこそ考えさせられる作品ですが、これが約100年前の人が作ったお話なわけですから、とても鋭い着眼点を持っていたのだと思います。
その他
さて、最近のトピックスを少し。
4月上旬は桜が綺麗でしたね。天気もいい日が続き、今年は長く桜を楽しめたような気がします。気温もそこそこあり、お花見にはぴったりでした。
個人的に毎年4月は劇場版コナンを楽しみにしています。もちろん今年も見に行きました。

まだご覧になっていない方もいると思うので内容には触れませんが、今年もとてもよかったです。ぜひ感想を語り合いたいものです。
次回読書会について
次回読書会の日程は未定です。
毎年春になると、安部公房の作品が読みたくなります(個人的に)。
その中でも春にぴったりな作品ということで『鞄』をチョイスしました。一部の高校教科書にも掲載されています。
短編集では『笑う月』の中に収録されています。
1つ1つのお話が短いので、他にも色々読んでみるのもオススメですよ。
次回も皆さんの参加をお待ちしています。
【お知らせ】第36回短編小説読書会📕(アイザック・アシモフ『我思う、ゆえに…』)
【短編小説読書会について】
《対象》
◎本に興味はあるけど普段なかなか読めていない方
◎自分では選ばないような小説にチャレンジしてみたい方
◎読んだ本の感想をシェアできる仲間が欲しい方
「短編小説読書会」では、事前に短編小説を読んできてもらい感想をシェアしていく形で読書を楽しんでいます。
課題文は元国語教員がセレクトした、「短いけど読み応えがある小説」ですので、幅広く楽しんでいただけるはずです!
【2025年4月 短編小説読書会のお知らせ】
日時:4月17日(木)
(第1部)19:00〜20:30
(第2部)21:00〜22:30 ※応募多数の場合開催
場所:都内某所(参加者に個別でお知らせします)
持ち物:課題文(アイザック・アシモフ「我思う、ゆえに…」短編集『われはロボット』所収)
※テキストは各自入手してください(この読書会では版は問いません。)
参加される方はコチラからお申し込みください↓↓
たくさんの参加をお待ちしています♪
【報告】第35回 短編小説読書会(アイザック・アシモフ『うそつき』)
2025年3月13日(木)第35回目の短編小説読書会を行いました。
今回のテーマはアイザック・アシモフ『うそつき』でした。
今作の選定理由
以前読書会に来てくださった方から紹介があり、アシモフの作品を取り上げようということになりました。いくつか読んだ中で、比較的考えやすい、かつ現代でも通用する普遍的なテーマ性を感じ、選びました。
物語のあらすじ
ハービィは偶然できてしまった人の心を読めるロボット。人間の心を傷つけないために嘘をつくが、かえって問題を招いてしまう。
初読の感想
物語の評価としては概ね高評価でした。アシモフが生まれたのがおよそ100年前ですから、この時代にここまでの未来を想像していたということに驚かされます。
2025年現在、チャットGPTを筆頭にAIがようやく一般に市民権を得てきましたが、間違った情報を堂々と語っている場合があるのも事実です。その意味では今を考える題材としてのSF作品として素晴らしいと思います。
考察:アシモフの三原則
アシモフには有名な「ロボット工学三原則」というものがあります。
- 第一条
- ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- 第二条
- ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
- 第三条
- ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
簡単にまとめると「安全・便利・長持ち」と家電製品にも適用できるのですが、のちのSF作品に影響を与えているらしく、とても有名な原則となっています。この原則を転用した作品も非常に多くあります。
今作で登場したハービィもいくらかバグはあるもののこの原則をきっちり守っているのです。人間に嘘をついているのは、人間に危害を加えないためですからね。
ただし事実の裏どりをされてしまうとすぐにバレてしまうのですが。
ロボットがあまりにも発達するとほとんど裏どりしなくなる(する暇もないくらい情報量が増えてしまう)ということなのかもしれません。
その他
今年は暖かくなったり、急に寒くなったり、落差が激しいですね。
個人的には花粉が多くて苦しい季節になってきました。
普段から体に気を使うようになったので以前よりはマシになったのですが、やはりしんどいです。
ちなみに花粉のようなアレルギーには、シナモンが良いそうですよ。炎症を抑える効果があるんだとか。薬を使ってもあまり効き目がなかったという人は試してみてください。
次回読書会について
次回読書会の日程は未定です。
次回課題文:『我思う、ゆえに』(アイザック・アシモフ)
アシモフのシリーズが好評につき、連続で読んでみようと思います。
単体でも楽しめますが、今回読んだ作品とも比較しながら読んでみてください。
皆さんの参加をお待ちしています。
【お知らせ】第35回短編小説読書会📕(2025年3月)
【短編小説読書会について】
《対象》
◎本に興味はあるけど普段なかなか読めていない方
◎自分では選ばないような小説にチャレンジしてみたい方
◎読んだ本の感想をシェアできる仲間が欲しい方
「短編小説読書会」では、事前に短編小説を読んできてもらい感想をシェアしていく形で読書を楽しんでいます。
課題文は元国語教員がセレクトした、「短いけど読み応えがある小説」ですので、幅広く楽しんでいただけるはずです!
【2025年3月 短編小説読書会のお知らせ】
日時:3月13日(木)
(第1部)19:00〜20:30
(第2部)21:00〜22:30 ※応募多数の場合開催
場所:都内某所(参加者に個別でお知らせします)
持ち物:課題文(アイザック・アシモフ「うそつき」短編集『われはロボット』所収)
※テキストは各自入手してください(この読書会では版は問いません。)
参加される方はコチラからお申し込みください↓↓
たくさんの参加をお待ちしています♪
【報告】第34回 短編小説読書会(宮沢賢治『雪渡り』)
2025年2月12日(水)第34回目の短編小説読書会を行いました。
今作の選定理由
2月は1年を通して最も寒い月ですので、冬を題材にした作品を扱おうと思っていました。ちょうど宮沢賢治はまだ読んだことがなく、今回の作品として決めました。
題名の「雪渡り」というのは、雪が凍ってあたり一面が板のようになり、普段は入れない田んぼや畑を歩く(渡る)ことができる様をいうようです。
物語のあらすじ
雪が凍って大理石よりも堅くなった日、四郎とかん子が森で狐をからかう歌を歌っていると本当に狐がやってくる。狐の紺三郎が二人に団子をすすめるが、かん子がキツネの団子は兎のくそと失言する。それを聞いた狐の紺三郎は、嘘つきは人間の大人のほうであると主張し、それを証明するため幻燈会(鑑賞会のようなもの)に2人を招待する。四郎は3人の兄たちも連れて行きたいと言うが、年齢制限にかかってしまうと断られてしまう。
2人が森の奥に進んでゆくと、そこは狐の小学校で、沢山の子狐達の中で約束通り紺三郎が待っていた。紺三郎は二人に挨拶をすると、間もなく幻燈会がはじまり、紺三郎が開会の辞を述べる。四郎は紺三郎のリーダーシップに感心してしまう。やがてスクリーンに「お酒のむべからず」と映し出され、太右衛門と清作が酔って野原で変な物を食べている2枚の証拠写真が映し出される。
幻燈会が中休みになり、可愛らしい狐の女の子が団子を二人の前に持ってきた。2人は気味悪い狐の団子を食べるのをためらい、再び気まずい雰囲気となる。しかし、四郎は紺三郎がだますはずがないと結論し、二人は団子を平らげる。団子はおいしく、狐たちは信用してもらえたことに感激し、狐の生徒はどんな時でも嘘はつかず、盗まず、そねまないという歌を歌って喜んだ。
やがて幻燈会の後半がはじまり、「わなを軽蔑すべからず」「火を軽蔑すべからず」という2枚の狐の絵が映されて、幻燈会が終了する。紺三郎は四郎とかん子に信じてもらえたことにふれ、狐達は誠実さによって今までの悪い評判を消しさるだろうという閉会の辞を述べて解散となる。
四郎とかん子は狐たちとの別れを惜しみながら、兄たちに迎えられて野原へと帰っていった。
初読の感想
今回の参加者は4人でしたが、ほとんどの人が今回の読書会を機に初めて読んだ作品でした。学校の教科書には一部載っている出版社もあるようですね。
童話なので動物と人間が普通に会話できる世界線だということは飲み込んでもらった上で、評価は可もなく不可もなくという人が多かったように思います。メリハリのあるストーリーが好きな方にとってはあまり刺さらない作品になったでしょう。
一方で細かな冬の情景描写がいいという人もおりました。
私は、さりげない表現の中に作者の意図が隠されているように感じ、考え甲斐のある作品だなと思っています。
考察:狐の宿命
物語の世界では狐はしばしば「化ける」「盗む」「騙す」といった悪いイメージで登場します。今作も例外ではなく、一般的に悪いイメージとされている狐が、その評判を高めようと誠実に人間と交流する姿が描かれています。
実は、狐のイメージが悪いのは日本だけではありません。ちょっと調べてみたのですが、英語でも狐(fox)はしばしば悪いイメージで使われます。
例を少しだけ挙げますと、こんな感じ。
- fox:狐。単なる動物の名称ではなく、「賢い」「狡猾な」「機転が利く」などの意味で使われることもある。
- foxy:sexyとfoxを組み合わせた形容詞で、「狡猾な、ずる賢い」という意味のほか、「セクシーな」「魅力的な」という意味合いで使われる。
- outfox:「出し抜く」「裏をかく」と言った意味の動詞であり、他人を狐のように賢くだましてしまうという意味があるため、対人関係で戦略的に動くことを表す際によく用いられる。
- Don’t let the fox guard the henhouse.
英語のイディオムで「信頼できない人に、重要なポジションを任せるべきではない」という意味になる。(狐は鶏を食べてしまう可能性があるため、転じて、一見信頼できそうでも、裏切られる可能性が高い意味)
『雪渡り』に出てきた狐の紺三郎は、狐を信用してくれた四郎とかん子を見て、いつかきっと狐の評判は上向くだろうと希望を持って締め括っています。物語は四郎とかん子が狐たちと分かれ、兄たちが迎えに来た場面で終わっています。
ということは、この物語の後、四郎とかん子が兄たちに狐がどうであったか(真実)を話す展開が待ち受けているであろうことは、容易に想像できますよね。この兄たちも、狐から四郎とかん子から直接聞いたら、もしかしたら信じるかもしれません。兄たちから聞いた別の大人も、ひょっとしたら…?そうやって信じる人たちが広がっていくかもしれません。
その意味で、一見無駄とも思える小さな信用と信頼を積み重ね、わずかな可能性でも信じる狐の紺三郎の姿には「尊さ」さえ感じます。
純粋な気持ち、偏見を捨てて向き合う心の大切さを感じました。
その他
2月は実家の福岡に一時帰省していました。父親が古希(70歳)の誕生日を迎え、いつもお世話になっているワインショップでアール・ヌーヴォーを買ってプレゼントしました。
普通アール・ヌーヴォーは世界で一斉に開けるため空輸で運ぶのですが、選んでもらったワインは熟成させることを見越してあえて海上輸送しているものだそうです。2023年製のヌーヴォーというと不思議な感じがします。
しかも、使われている葡萄の木が樹齢70年のガメイという品種で、ストーリー込みで非常に喜んでもらえました。まろやかで飲みやすいワインでした。
福岡は東京に比べてとても寒く、雪は降るわ道路は凍るわで久々に凍えました。
あったかいラーメンが沁みます。

次回読書会について
次回読書会の日程は未定です。
次回課題文:『お探し物は図書室まで』(青山美智子)
短編集になっていますので、そのうちの1編を題材にする予定です。
皆さんの参加をお待ちしています。
【お知らせ】第34回短編小説読書会📕
【短編小説読書会について】
《対象》
◎本に興味はあるけど普段なかなか読めていない方
◎自分では選ばないような小説にチャレンジしてみたい方
◎読んだ本の感想をシェアできる仲間が欲しい方
「短編小説読書会」では、事前に短編小説を読んできてもらい感想をシェアしていく形で読書を楽しんでいます。
課題文は元国語教員がセレクトした、「短いけど読み応えがある小説」ですので、幅広く楽しんでいただけるはずです!
【2025年2月 短編小説読書会のお知らせ】
日時:2月12日(水)
(第1部)19:00〜20:30
(第2部)21:00〜22:30 ※応募多数の場合開催
場所:都内某所(参加者に個別でお知らせします)
※テキストは各自入手してください(この読書会では版は問いません。)
参加される方はコチラからお申し込みください↓↓
https://forms.gle/6vFqwhtnN28tmtzq5
たくさんの参加をお待ちしています♪
