【報告】第21回 短編小説読書会(三島由紀夫『復讐』)

2024年3月14日(木)第21回目の短編小説読書会を行いました。

参加者は新規1名を加えた5名で行われました。

個人的にはこのくらいの人数が好きです。

 

今回の課題分は三島由紀夫『復讐』。

参加者からのリクエストを受けてのセレクトでした。


 自己紹介を済ませた後、感想や評価を語り合います。

 

初読の感想としては「え、ここで終わるの?」と驚かれた方が多いと思います。

 

しかし再度読んでみると、小説の前半部分にある伏線の意味が分かってくると思います。

 

近藤家は玄武の復讐を待っている。その玄武が死んでしまうというのは、近藤家の人生設計が狂ってしまうことを意味します。

つまり、玄武が実際に生きているかどうかはともかく、自分たちに復讐するキャラクターは居続けてもらったほうが、近藤家には都合がいいわけです。

 

あとは、玄武という名前が、中国の神獣で「不老長寿」を象徴しているというのが、その辺を意味しているのではないかと(個人的には)思いました。玄武という人物は死んでも、玄武というキャラクターは生き続け、近藤家を呪い続ける……

そう考えると、虎雄も白虎をモチーフにしているのではないかと。

 

三島由紀夫の人柄から考えてみても、その解釈はありそうかな、とい思いました。(考えすぎかもしれませんが)

 

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次回読書会の日時は不明ですが、課題文は先に決まりました。

次回課題文:『デンドロカカリア』(安部公房

青空文庫にはないので、図書館等で探して読んできてください。

 

今年は安部公房の生誕100周年!

それにちなんで読んでみようと思います。

短編はたくさんあるので迷いましたが『デンドロカカリア』にしました。

僕もまだ読んでいないので楽しみです。

 

Amazonだとこちらの文庫が入手しやすいかと思います。おそらく近所の図書館にもあるはずです。

水中都市・デンドロカカリヤ (新潮文庫) https://amzn.asia/d/57vt3Oe

 

皆さんの参加をお待ちしております。